今回は中国のスポーツメーカー【HEALTH】の短距離スパイクである”CP5“をレビューしていきます。

そもそもHEALTH(海尔斯)とは
HEALTHは1984年に創業した浙江省に本社を構えるスポーツ用品メーカーです。
従業員は1000人余り在籍しているそうでそれなりの企業であることが伺えます。陸上スパイク以外にもサッカースパイクやテニスのシューズ、ウェア、ランニングシューズ等色々取り扱っているみたいです。
陸上関係で挙げておくと1990年代から2000年代にかけて中国のナショナルチームの指定競技靴になったり、2001年の北京ユニバーシアードで中国代表選手を独占的に後援したり、女子800mで東京オリンピック5位に入った王春雨選手にウェアを提供していたりとかなり陸上には力をいれているみたいです。
あと2025年初めて開催されたグランドスラム・トラックで、100mの世界チャンピオンであるフレッドカーリー選手がこのHEALTHのウェアを着用してレースに出ていました。(スパイクはNIKEだった)契約しているのか詳しいことはわかりません。
カーリーのウェアがHEALTHだ!
— つかさ (@TKS_04) April 6, 2025
スパイクはCP5ではなさそうだけど pic.twitter.com/gdmP6pITY4
自分も前までは中国特有の適当に名前をつけた謎メーカーかと思っていましたが意外とちゃんとしている企業のようです。

CP5について
CP5は中国のスポーツメーカーであるHEALTH(海尔斯)が展開する短距離用厚底スパイクです。
トップクラスの選手でも着用している人がいないのではあまり馴染みがありませんがWAのシューズリストに載った時に少しだけ話題になったためスパイクに詳しい方でしたら知っているかもしれません。
WAの承認を受けてあるということは、このCP5はワールドランキング対象の大会や世界選手権などでも使用ができるということですので、もしかしたらこれから広まっていくかもしれませんね。
形はアディダスのプライムSP2にそっくりです笑笑
ちなみにCP5というだけあってCPシリーズには何種類もあり
薄底カーボンモデルのCP1
AliExpress Japan – セール中!中国発ショッピングサイトで高品質・低価格品をネット通販 – アリエクにほん より引用
厚底短距離モデルでCP5の前身であるCP2
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CP2はレビューをしているのでぜひ併せて読んでみてください
厚底中距離モデルのCP3
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跳躍用スパイクのCPL
AliExpress Japan – セール中!中国発ショッピングサイトで高品質・低価格品をネット通販 – アリエクにほん より引用
そして2025年に新たにラインナップに加わった中級者向けの厚底スプリントスパイクだと思われるCPX
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と言ったようにCP5も合わせると6種類あります。
ちなみにCP4はありません。中国では4は縁起の悪い数字だとされているからでしょうか。
このCPシリーズの中でWAの承認を得ているのが今回紹介するCP5だけでそれ以外は公認のレースで使用できないため注意が必要です。
CP5の重さ
CP5の重さはEU40(JP25.5相当)のピンを外した状態で147gでした

と言いたいところなのですが、なんとなく違和感を感じたためもう片方の重さも測ってみたところなんと140gでした笑笑

左右で7gの差があるなんて聞いたことないです笑笑
何か入れ忘れているのではないかと心配になってしまいますね…
間をとって25.5cmのピンを外した状態で143.5gとしておきましょうか笑
フラッグシップモデルのスプリントスパイクとしては軽い方です。
CP5のサイズ感
サイズ感はこのメーカーに近いって感じのものが見つからない絶妙なサイズ感でNIKEより若干小さめって感じです。
特に指周りの横幅がタイトな印象。
CP5の付属品
CP5にはナイキのパクリみたいなシューズケースとアルミ製のニードルピンが2セット分、スチール製のニードルピンが1セット、ピン回しが一つ入っていました。
アルミのニードルピンは非常に軽くてすぐに壊れてしまわないか心配になるほどです。
使うならスチールのほうかなと思います。
もしかしたらアルミのニードルピンは数回だけ使用するのを前提とした試合用なのかもしれません。

アルミのピンの裏側にはHEALTHのマークが入っていました。こだわりを感じます。

ちなみに箱に入って発送されてきたわけではなくエアーバックに入っていました笑笑
箱欲しかった…

CP5のアッパー
CP5のアッパーはHiFIBERと呼ばれるHEALTH独自の素材でシルクのような通気性とフィット感が特徴のメッシュ生地が使用されています。
他社のランニングシューズでも頻繁に使用されている従来のモノメッシュアッパーよりフィット感が20%、通気性が30%、強度も30%向上しているそうです。
確かに足あたりはいいです。
シューレースはナイキのパクリのギザギザが入っているものです。
これは解けにくくて好きなので好印象です。

スプリントスパイクにしては珍しいほどガッツリ肉抜きがされていて通気性と軽量性を確保してあります。
肉抜きはされているものの必要な場所には補強があるため中長距離用スパイクのようなブレは感じません。

踵周りは少し厚くなっていて踵抜け防止の形状となっているのでホールドが弱い感じはしません。

シューズを履く際に引っ張れるつまみがついていますが何故か100mの世界記録である9.58が刻まれています笑
ウサイン・ボルト氏がこれを使用して出した記録であるならいいですが何にも関係ないのに入れちゃうのはちょっとダサいと思うのは私だけでしょうか笑

CP5のミッドソール
CP5のミッドソールにはHEALTHの高反発材であるHIfoamXがフルレングスで使用されています。
ところどころ色は違いますが全部HIfoamXで構成されています。
HIfoamXは触った感じは硬めですが、脚を入れると沈み込んでクッション感があります。
反発で言うとそこまで強くないです。

びっくりしたのですがミッドソールの色がついているところから絵の具のような嫌な匂いがしました。
特に黄色いところは手塗りしてあり、色がはみ出したり塗料の厚さが均一じゃない雑な仕上がりで匂いが強いです。
有害な溶剤とか使われてないといいのですが…

このスパイク1番の特徴と言ってもいいのが前足部に搭載されているカーボンバウンスシステムです。
カーボンバウンスシステムとは、内蔵されたカーボンプレートの一部をアーチ状にしてそこを潰してカーボンをしならせることで強烈な反発を得るというHEALTH独自の技術です。
AliExpress Japan – セール中!中国発ショッピングサイトで高品質・低価格品をネット通販 – アリエクにほん より引用
CP5のアウトプレート
CP5のアウトプレートはフルレングスのカーボンプレートとなっておりピン配列は3-2-1となっています。
プレートの剛性を上げるための縦ラインが3本入っているため屈曲は硬めな印象です。

アウトプレートはフルレングスのカーボン製ですが、先ほど紹介したカーボンバウンスシステムが搭載されたカーボンプレートがミッドソールの中に内蔵されているため実質カーボンプレート2枚の構成となっています。
CP5を使用してみての感想
良い点
爆発的な反発力!
CP5を使用してみて一番感じたことは反発が非常に強いです。
ミッドソールのHIfoamXやプレートの剛性からくる反発で言うと平凡以下の印象ですが、カーボンバンパーシステムの搭載されている前足部の一部を正確に踏むことができれば超強力な前方方向への反発を得ることができます。
反発の方向のイメージで言うとエヴォスピードスプリントニトロに近いです。
しかし反発力はスプリントニトロを凌駕しているとすら思います。
特にスタートから一時加速にかけての前傾をかけている時が一番反発を得られやすい印象です。
反発が強すぎてタイミングがわからなくなってしまうほどです。
軽い
先述した通りCP5は25.5cm相当のサイズで140g程度の重さしかありません。
昨今スプリントスパイクの厚底化に伴い重量は増加する傾向にあります。
しかしながらCP5は他社製のスプリントスパイクと比べてもトップクラスで軽量です。
軽いとピッチをあげやすくなるなどのメリットがあるため軽いに越したことはありませんよね。
お値段がリーズナブル
このCP5はAliExpressで購入したのですが、セールやクーポンなどを組み合わせることによって12000円台で購入することができました。
このクラスのスパイクにしては破格の安さといえます。
CP5はWA公認大会にも出場できるためかなりコスパがいいと言えます。
CP5の悪い点
バウンスシステムを正確に踏めないと反発が弱い
このスパイクの悪いところとしては強烈な反発を生み出すカーボンバウンスシステムを正確に踏むことができないと途端に反発が弱くなります。
カーボンバウンスシステムがついている箇所がつま先寄りなのでスタートから1次加速時の前傾姿勢が保てている区間は踏みやすいものの、体が起きてくると踏みにくくなる印象です。
接地に関しては個人差があるためなんとも言えないところですが、私の走法だと体が起き上がったらバウンスシステムをうまく踏めなくなって反発を得られなくなってしまいました。
ミッドソールの反発材の反発があまり強くないためバウンスシステムありきの設計だと思われます。
ミッドソールの反発の強さはジョグ用シューズに搭載されているクッション性の高い素材みたいなイメージです。
カーボンバウンスシステムを正確に踏んでいく走りにしないとならないため人によっては慣れるのに時間がかかるかもしれません。

作りが雑
CP5の前身とも言えるCP2のレビューでも書きましたがCP5になっても作りが雑です。
先述した通り左右の重さの差が7gもあったり、ミッドソールの着色が雑なことに加えてスパイクピンを装着する穴のネジ山が一箇所だけつぶれたようになっていてピンを装着するのに苦労しました。
たまたま安く購入できたので目を瞑れるところもありますが、もう少し品質管理をなんとかして欲しいところです。中華クオリティ()といわざるを得ません。

どんな選手に合っているか
- クッション性の高いシューズが好きな選手
- 軽いスパイクが好みな選手
- フォアフット接地の選手
総評
| 反発 | |
| 安定感 | |
| 使いやすさ | |
| おすすめ度 |
まとめ
今回紹介したCP5ですが、一言で表すと『惜しい』スパイクでした。
カーボンバウンスシステムの反発力は進化が停滞しつつある厚底スパイクの新たな可能性を感じるものでしたがカーボンバウンスシステムの位置やミッドソールの反発力など改善の余地があると感じました。
しかしその課題が解決されれば大化けするのではと思いました。
あとせっかくいいものが作れるのに見た目をパクってしまうのはもったいないですよね。
パクリデザインだと胡散臭く見えて買う気が失せるのは私だけではないはずです。
あと少しで主要メーカーにも負けないHEALTH製品が登場してきそうな雰囲気もありますので引き続き注目していきたいと思います。












