私ごとですが、陸上競技歴9年目である2024年の4月に念願の100m10秒台に到達しました!!
タイムは10.96(+1.3)でした。
100mのシーズンインに当たるレースでしたし、感覚的にも良い走りができていたように感じていなかったのでとても驚きました。
さらに2024年シーズンは最終的に10.92(+1.5)まで記録を伸ばすことができました。
そこで今回は学生時代11.73がベストだった跳躍選手である私が社会人になって10秒台を出すためにやってよかったことと、やらなくてもよかったことを紹介していきます。
ちなみに10.96はアディゼロプライムSP2で、10.92のときにはアディゼロプライムSP3を着用していました。

※注意:本記事はあくまで当サイトの管理人が実践して良いと思ったことであり、これをやれば速くなる!!と言ったものではありません。また、独学的なところが多いため一般論とだいぶズレている可能性がありますのでご了承ください。
10秒台を出すためにやってよかったこと
整体に行く
いきなり他力本願じゃないか!と感じている方もいらっしゃると思いますが整体に行ったことで11秒中盤から11秒2台まで一気に記録が伸びました。
整体というと腰や肩が痛いお年寄りが行くところといったイメージを持つ方も多いと思いますが、世の中には体の歪みを整えてパフォーマンスアップに導いてくれる整体術が存在しています。
個人的におすすめなのは”小波津式神経筋無痛療法“を取り扱う整体院です。
小波津式は名前の通り痛みがほとんどなく、はじめて受けたときはこんなので効くのか…?と思ってしまうほどやさしい整体術です。
しかしながら受けてみると不思議なことに柔軟性がアップしたり体の凝りが消えて調子がよくなりとても驚いた記憶があります。
この整体を受けたことでどう走りにつながったかと言いますと、主に股関節周りの動きが良くなり股関節や腸腰筋群で足を引き上げる感覚を掴むことができました。
さらに無理なく脚を引き上げることができるようになったので前さばきのスプリント動作ができるようになったことも記録の向上に大きくつながったのではと思っています。
練習や仕事で体が凝り固まっているときは定期的に行ってメンテナンスをしてもらっています。
そして良すぎて毎回感動しています笑笑
小波津式はセミナーを受けることで施術可能になるみたいなので全国的にも取り扱っている整体院は少なくないと思います。
小波津式のホームページに取り扱い店舗一覧があるので確認してみてください、私が住んでいる地域にはなんと2つもありました。
ちなみにこの”小波津式“を紹介しても私には一銭も入りませんし、もちろん忖度しているわけでもありません。
本気でいいと思っているので紹介しています。
ぶっちゃけネットの情報だけ見てしまうとめちゃくちゃ怪しいですが効果は絶大です。
個人的には体を不自由なく思い通りに動かせることがパフォーマンスアップの根底にあると思っています。
そこがおろそかになっているとウエイトトレーニングや技術練習が記録につながりにくくなってしまうのではないでしょうか。
体を思った通りに動かすようにするトレーニングはいくつもありますがこれが1番速攻性があるかなと思っています。
↓ホームページのリンクを貼っておきます。
200mイーブン走
10秒台を出すための練習の中で非常に役に立ったと思っているものの一つに”200mのイーブン走“があります。
そもそもイーブン走とは何かというと200mを前半の100mと後半の100mを同じタイムで走るという練習です。
例えば200mの設定タイムを26秒にしたら13秒+13秒で走ることになります。
イーブン走は100mのベスト9.98を持つ小池裕貴選手も実施していたと聞いて始めた練習です。
この練習で大切なのは1番疲れてくる最後の50mで如何にフォームを崩さず地面からの反発をもらいながらリラックスして走れるかということです。
この区間をうまく地面からの反発を利用して走れるようになれば100mの加速局面でも地面からの反発をもらえるようになり加速力が向上します。
では具体的どうすれば反発をもらえるように走れるかといいますと、空中でタメを作り自分から地面を捉えに行かないようにしつつ、スパイクやシューズのミッドソールを体重を乗せて潰していく感覚です。
これにプラスして前さばきの走りができればさらに良いです。
前さばきは腸腰筋群を鍛えたり先述した整体に行くことで掴めるようになるでしょう。
前さばきと空中でタメを作る動作はセットになっているような気がします笑
高反発材の入ったスパイクを使用すれば弾む感じを掴みやすいのでおすすめです。
ちなみにこの練習は追い込むことが目標ではなくフォームの意識が重要になるため一本一本レストは長めにとります。私は6分くらいは空けて、タイム設定は最初は28秒くらいの遅めのペースでやっていました。

接地を変える
接地は短距離においてかなり重要なものだと思っていて接地を変更したことで11.13から10台に記録を伸ばすことができました。
11.13の頃はベタ足フラット接地で走っていましたが今はフォアフット接地に変えています。
正しいフォアフット接地ができるようになれば踵の落ち込みによる腱反射を使うことができたり、何より厚底スパイクのポテンシャルを最大限に活かす走りができるようになります。
腱反射を簡単に説明すると前足部から足をつくと踵が地面に向かって落ちていきます。
その際に伸びたアキレス腱が元に戻ろうとする力で推進力を獲得する技術です。
この腱反射が使えると使えないとでは一歩の推進力が大きく違ってきます。
昨今のフラッグシップモデルのスプリントスパイクは前足部のみに高反発材が入っていることが多いためフォアフットで正しく接地をすることで反発を最大限に得ることができます。
では具体的にどうやって変えていけばいいかと言いますとまずはこちらの動画を視聴してみてください。
こちらは陸上界隈だと有名なyoutuberであるTKDプロジェクトさんの動画で、アクセルトラッククラブの草野選手が正しいフラット接地を解説されています。
軽く解説するとフラット接地はつま先から着き、落ちてきた踵で踏み込むいうものです。
私はこの動画を視聴してからベタ足フラットから前足部から接地するフラット接地に変更しようとしましたが気がついたらフォアフット接地になっていました笑笑
理由は分かりませんがおそらくプライムsp2などのプレートが硬く傾斜の強いスパイクを着用していたためだと思われます。
この動画の内容を理解しつつ日常生活の中でも暇さえあれば接地を意識した足踏みをしていたら知らぬ間に走りの中でもできるようになりました。
先述した通りこの接地はができるようになれば腱反射も使えるようになるし厚底スパイクのポテンシャルを活かせるようになるためぜひ獲得してほしい技術の一つであります。
100mから120mのフルスプリント
こちらは意見が分かれるところがあると思いますが個人的には100mから120mのフルスプリントの練習はかなりおすすめできます。
ポイントはただ全力疾走するだけでなく距離に関わらずある程度の区間ごとの意識をしてください。
私の場合100mの時は
30mまでは絶対に頭を上げず前傾をとって走る
→30mから70mくらいまでは胸を張って地面から反発をもらい加速しながらながら走る
→70mからゴールまでは力まないよう最低限キープしながら走る(地面を押しすぎない)
という流れです。
全力疾走なので細かい技術を意識することは難しいですがこのくらい大まかなレースの流れを意識することは可能だと思います。
このような自分で決めた流れが本番でもできれば条件にもよりますが大抵タイムが出ます。
しかしながらスタートで大きく先行されて焦って頭が早く上がってしまったり後半で頑張って追いつこうとすると大体タイムが出ないので区間ごとの意識はとても大切なものだと思っています。
こちらの練習も1本ごとのレストは長めにとって(8から12分くらい)質を高めて意識をしていくことが重要になります。

保険を作る
レース本番で緊張してガチガチに力んでしまわないようにするために保険を作るのも一つの手です。
保険とは何かというとサブ種目を作ることです。
最悪100mで失敗しても別の種目が残っているという状況を作り出すことで保険をかけることができて過剰に緊張しなくなる場合があります。ですので三段跳をやりましょう笑笑
10秒台を出すためにやらなくても問題なかったこと
過剰なSD練習
逆にやらなくても問題なかったことの一つに過剰なSD練習が挙げられます。
私のメイン種目は三段跳でそもそもSDにかけている時間がなかったというのもありますが、SD練習は試合の前と、たまにショートスプリント系の練習のついでにやっていたくらいでした。
私は跳躍選手ですので技術練習が楽しすぎてやりすぎてしまう気持ちは痛いほど分かりますが、極論言ってしまうといくらスタートが速くなっても地面から正しく反発を得ることができなければ中盤から後半で大きく減速してしまい結局タイムは出ません。
ですのでスタート練習に力をいれるよりかは先程紹介したイーブン走や正しい接地の習得に時間をかけた方がタイムの向上を狙えると思います。
あとスタートに関しては流しだろうとセット走だろうとマーカー走だろうと常に意識していればスタブロを蹴るまでもなく最低限の習熟度になれるでしょう。
スタート練習が必要ないと言っているわけではありません。
もちろん10秒中盤から9秒台を目指すのであれば確実に必要になってくると思いますが、とりあえず10秒台を出したい!ということであればSDの優先度は下がると思っています。
あとスタート関連で個人的に嫌いなものがありまして、いわゆるすり足スタートはやらない方がいいのではないかと思います。
まずスパイク壊れるし、つま先補強のテープも非常にダサいです。
まあトップオブトップのレベルになってくれば2歩目をいかに素早く接地できるかみたいなところまで突き詰めないといけないのかも分かりませんが、とりあえず10秒台!であればそんなことしなくても十分出ます。
最初の数歩より中盤から後半の数十歩がすすむようになるほうが重要ではないでしょうか。
昨今物価高や性能が上がっていることもあって、シューズが高額になってきていますから大切に扱っていきたいですね!
↓春先の10.96のレース。足の軌道は結構高め

あえて薄底スパイクで練習する
足裏を鍛えるため?にあえて薄底スパイクで練習をするという意見が一定数ありますが個人的にはその必要はないかなと思っています。
普段厚底を使っているのに変に薄底を履くよりかは厚底特有の沈み込みや反発、硬さなどに体を慣らしていくのを優先した方が確実にいいです。
薄底と厚底では反発の返り方やタイミングが全くの別物ですので普段厚底を使用している人があえて薄底を使うことによって逆に変なところを痛めてしまう可能性があります。
かくいう私も普段は厚底(プライムSP3)を使用しているのに気まぐれであえて薄底(ジェットスプリント2)を使用して練習をしたことがあるのですが、地面に接地するタイミングや反発の返りが違いすぎて走りが崩れシンスプリントを痛めてしまったことがあります。
厚底で使う筋肉と薄底で使う筋肉は違うわけですからあえて使わない筋肉を強化する時間は非常にもったいないです。厚底がカバーしてくれてるから使わなくなっている筋肉達ですからね。
ガンガン道具に頼っていきましょう。
道具に頼らずタイムがでないのとしっかり頼って記録が出るのはどちらがいいでしょうか?道具に頼ることは全然悪いことではありません。
練習で薄底を使用するくらいならむしろ中長距離用の厚底スパイクを使った方が絶対いいです!!
体へのダメージが軽減されます。
ちなみに薄底には薄底の良さがあることは重々承知していて薄底自体を否定しているわけではないので悪しからず。
どうしても足底の筋肉を鍛えたいというのであればフロッグハンドという器具をお勧めします。
フロッグハンドはタオルギャザーなどの一般的な足底トレーニングよりかなり高い負荷を足底筋に与えられます。
私はフロッグハンドでトレーニングをするようになってから足裏のセンサーが強化されて捻挫が減りました。
まとめ
今回は私が100m10秒台を出すためにしてよかったことを紹介していきました。
他にも腕振りのことなどいくつかあるのですが個人の筋力や可動域に寄るような気がしているためあえて書きませんでした。また別枠で書くかもしれません。
私の100mの最終目標は10.88で走ることです。理由としては高校生の頃はじめて出場した100mのレースで出た記録が11.88だったためそこから1秒縮めたいなと思っています笑笑
冬季練習もあと少し、来シーズン自己ベストを出すためにお互い頑張りましょう!!