今回はプーマの厚底跳躍スパイクである”エヴォスピードロングジャンプニトロ2“のレビューをしていきます。
とんでもない跳躍スパイクでしたので是非最後までご覧ください!!

evospeed long jump nitro2について
エヴォスピードロングジャンプニトロ2はドイツ発のスポーツメーカであるPUMAが展開する走幅跳スパイクの一つです。
PUMAの走幅跳スパイクといえばこの”エヴォスピードロングジャンプニトロ2“以外にも中級者モデルの”エヴォスピードロングジャンプ“とカーボン搭載薄底モデルの”エヴォスピードフューチャージャンプ“があります。あと市場にほとんど出回っていませんが”エヴォスピードナイロジャンプニトロエリート“という男子棒高跳び世界記録保持者のアルマンド・デュプランティス選手専用機?があります。
跳躍スパイクは種類が少なくなりがちですがプーマはすごいですね!
エヴォスピードロングジャンプニトロ2は世界大会でも使用している選手が多いため砂場跳躍種目に興味のある方でしたら一度は目にしたことがあると思います。
最近だと跳躍に限ってはNIKEよりシェアが多いのではと感じるくらい多くの選手が着用しています。
スーパースポーツゼビオのオンラインショップでは、多くの陸上スパイクやランニングシューズが販売されており上位モデルのスパイクが売り出されることもあるため私もこまめにチェックしています。
evospeed long jump nitro2の重さ
エヴォスピードロングジャンプニトロ2の重量は25.5cmで”231g“でした。
若干重いけど全然セーフな重量だと思っていて個人的には250gを超えると重くて220g切ると軽いかなと言ったイメージです。ちなみにピンは固定ですのでピンを含めた重さです。

evospeed long jump nitro2のアッパー
アッパーはULTRAWEAVEと呼ばれる高強度ポリエステルをを混合した繊維生地で形成されています。
ULTRAWEAVEは登山用のギアにも使用されるほど軽量かつ耐久性に優れた素材ですので簡単に穴が空いたりすることはなさそうです。
エヴォスピードロングジャンプニトロ2に使用されているのはULTRAWEAVE ÉLITEと書かれていますが何が違うのかわイマイチわかりません笑
普通のULTRAWEAVEが使用されていたエヴォスピードフューチャージャンプと比べたら硬くてしっかりしているような気もしています。フィット感、アッパー強度が良くて跳躍時にぶれる心配はなさそうです。

中足部にベルトが付いていてアッパーの横ブレを抑えてくれるのと土踏まずを引き上げてオーバープロネーションを防いでくれます。
オーバープロネーションはアキレス腱痛やシンスプリントの原因となるため対策できるに越したことはありません。
土踏まずの引き上げに関してはアッパーが硬くてしっかりしているせいかアディゼロTJ/PVやNIKEのLJエリートと比べると弱い感じがします。
個人的にはもうすこし土踏まずの真ん中にかけてを引き上げて欲しかったところです。

アッパーは全体的に硬くて頑丈な作りになっています。
昨今跳躍スパイクでも靴下が透けて見えるようなメッシュになっていることもありますが、エヴォスピードロングジャンプニトロ2は全体がポリエステル配合繊維素材となっているためブレなどを一切感じさせないほどしっかりしています!

エヴォスピードスプリントニトロもそうでしたが前足部のボックスが低くて場合によっては指が当たって違和感を感じてしまうこともあるかもしれません

エヴォスピードロングジャンプニトロ2のミッドソール
エヴォスピードロングジャンプニトロ2は前足部にプーマの高反発素材であるニトロエリートフォームが使用されています。
ニトロエリートフォームは他のメーカーの高反発材と比べると芯があり沈み込みが少ない印象ですので跳躍競技にマッチします。

中足部から踵部にかけては硬度の高いEVA素材が使用されており沈み込みが少なくもクッション性が高く踵痛が起こりにくいものとなっています。

エヴォスピードロングジャンプニトロ2にはパワープレートと呼ばれるカーボンプレートが搭載されているためプレートの硬度は非常に高く高反発になっています。

エヴォスピードロングジャンプニトロ2のアウトプレート
エヴォスピードロングジャンプニトロ2のアウトプレートは中間部分から分かれていて前足部側がpebax製の高強度のプレートで踵部側はEVAに滑り止めの樹脂パーツが付けられています。

エヴォスピードロングジャンプニトロ2のピン配列は4-2-2となっていてエヴォスピードフューチャージャンプと同じ配列になっています。

固定ニードルピンは他のプーマのスパイクと比べると最初は太めでしたが一度練習で使用しただけで表面のコーティング?が剥がれてきて細めのピンが出てきました。
これは仕様なのか私が購入したオランダのショップが勝手にコーティングしたのかはわかりません。
知っている方がいれば教えてください。


プレートの傾斜は跳躍スパイクにしては強い方ですがこれが跳躍に対して非常にいい仕事をしていると思います。
このスパイクの最大の特徴と言っても過言ではないでしょう。(後述します)

エヴォスピードロングジャンプニトロ2は中足部あたりのアウトソールが削られていて室内で足入れした際は結構プロネーションしてしまうなと感じました。
しかしながら実際走ったり跳んだりしてみると全然気になりません。
むしろ踵周りが広くなっているためアシックスのソニックスカイプロのようにぐらついてしまうことも少ないです。考えられて作られてるなぁ~

エヴォスピードロングジャンプニトロ2の感想
エヴォスピードロングジャンプニトロ2の良い点
圧倒的推進力
エヴォスピードロングジャンプニトロ2を使用して一番感動したところが圧倒的な推進力です。
ここで言う推進力とは走る際の反発とかではなく、跳躍踏切時のライド感のことを指しています。
主に三段跳の練習で使用しましたが、まあ転がる転がる!プレートの傾斜が強く且つ硬度も高く踏切時に強い力が加わってもあまり変形しないため自然にそして強烈に足裏を転がしてくれます。
これが三段跳にはめちゃくちゃ良い!!
ライド感があるスパイクと言ったらミズノのフィールドジオが挙げられますがあれの比にならないほど反発感が強く跳躍距離を伸ばしてくれる感覚があります!
なんなら多少雑に踏み切ってしまってもスパイクが転がってくれるため跳躍がある程度まとまってしまいます笑
さらに強烈な推進力がありながらもナイキのLJエリートのように反発のタイミングが難しくなってしまうことがありません。
踏切局面では前足部のニトロエリートフォームの恩恵は感じませんが跳躍用スパイクにしては強いアウトプレートの傾斜と内蔵されたパワープレートの反発力が非常に仕事をしてくれます。
エヴォスピードフューチャージャンプを三段跳で使用した際にべた褒めした記憶があってそれと同じ感覚ならいいなぁと思っていましたが、別物になっていてさらに良くなっていました。
フューチャージャンプは前方方向への反発が強かったですがエヴォスピードロングジャンプニトロ2は前方寄りの斜め上に跳ねてくれる感じです。
練習だと全然飛距離が出ない私ですが、このスパイクを使用したら冬季練習真っ只中でスピードが上がっていない尚且つ気温2度の中でも昨シーズンの夏場と同じくらいの跳躍ができました!!
走幅跳でもライド感が強い方がスピードのロスなく空中動作に移行できて記録につながってくると思うのでかなりおすすめできます。
本当に感動しました。跳躍スパイクに革命が起きてしまったかもしれません。
走りやすい
エヴォスピードスプリントニトロやエヴォスピードフューチャージャンプと言ったプーマのカーボン入り上位モデルのスパイクたちに共通することはスプリント動作の際に前方向への推進力が強くてストライドが広がるもののオーバーストライドになりやすいと言う特徴がありましたが、エヴォスピードロングジャンプニトロ2は比較的素直な反発でどちらかと言うとアディゼロプライムSP3や従来型のノンカーボンスパイクに近い斜め45度方向に反発するイメージです。
好みの問題はありますが跳躍スパイクですので変にストライドが伸びてしまうと助走が安定しなくなったり走れすぎて踏み切れなくなってしまうのでとてもいいと思います。
さらに前足部のニトロエリートフォームとカーボンプレートの推進力が相まって短距離スパイク並みの反発力ですので助走のスピードもあげやすいです。
個人的にめちゃくちゃ好きな反発感でしたのでこのまま軽量化して短距離スパイクにしてほしいくらいです。
クッション性、安定感◎
エヴォスピードロングジャンプニトロ2はクッション性と安定感にも優れています。
中足部から踵部にかけて硬めのEVA素材が使用されているためはじめて足入れした際には硬さが気になってナイキのLJエリートに近いと思いましたが、実際跳んでみると硬さは全然気にならないし、踵部も密度の高いEVA素材ですので他社性のフルレングスで高反発材が入っている跳躍スパイクのように体重移動がうまくいかなかった際に大きく沈み込んでしまって踵痛が発症することも少なそうです。
さらに先述した通り中足部の接地面が絞られていて室内で足入れした際はプロネーションしてしまいそうな感じでしたが、踵部と前足部のプラットフォームが広くアッパーもかなりしっかりしているため踏切時にぐらついてしまうこともありません。
オールマイティすぎるだろ…死角は無いのか…笑
エヴォスピードロングジャンプニトロ2の悪い点
耐久性が心配
死角がないと思われるエヴォスピードロングジャンプニトロ2ですが1つ心配ごとがあって使い込んで行ってプレートが少しへたってきてしまったらどうなるのかが気になります。
圧倒的な反発とライド感は硬度の高いプレートからの恩恵が多いと思うのでこれが少しでも柔らかくなってしまったら新品の時ような凄まじさがなくなってしまうのではとという懸念があります。
使い込むとへたってしまうのはどのスパイクにも共通して言えることではありますが、馴染んできてさらに良くなるパターンはこのスパイクでは無いのではないかと思います。
価格の面でも安いとは言い難いものですので試合前と試合でのみ使用することにします。
売ってない
2025年2月現在日本では正式に販売されていません。
私はオランダのスポーツECサイトから個人輸入をしたのでコミコミでエヴォスピードスプリントニトロと同じくらいの値段で手に入れられましたが、現状輸入代行を頼むかがんばって個人輸入するかのどちらかでしか手に入りません。
そのうち国内でも発売されると信じたいですがエヴォスピードフューチャージャンプやエヴォスピードロングジャンプが全然売れていないところを見るとなんとも言えないところです。
個人的な予想では2025年の2月1日に発売されるかなと思っていたのですが音沙汰なかったです。(2024年2月1日にスプリントニトロ2とニトロ400 2が発売されたから)
どんな選手に合っているか
- 中級者〜上級者の幅、三段、棒高選手
- 正直どんな選手に合っているかとかはいい意味で無いです。初心者でなければ誰でも!
総評
反発 | |
安定感 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 |
まとめ
私はサッカニーとディアドラ以外の流通量のある跳躍スパイクは一通り試してきましたが記録が伸びそうな予感がした跳躍スパイクはエヴォスピードロングジャンプニトロ2が初めてでした。
近年のスパイク厚底化に倣って跳躍スパイクも厚底に変わっていきましたが正直そこまで恩恵を感じられていませんでした。
しかしこれはまさに革命が起きたと言っても過言では無いと思いました。
世界大会でシェアが多いのも大いに頷けるほどのクオリティの高さで、もっと早くから流通していれば一時期のドラゴンフライのようにいわゆる人権スパイクになっていたのではと感じるほどのインパクトでした。
他のメーカーはこれをパクって開発を進めた方がいいのではないかと感じています笑笑
私自身予備が欲しいので日本でも発売されることを願っています。