今回は中国のHEALTH(海尔斯)製の短距離厚底スパイク、【CP2(碳速2)】をレビューしていきます!

そもそもHEALTH(海尔斯)ってどんな会社?
HEALTHは1984年に創業した浙江省に本社を構えるスポーツ用品メーカーです。
従業員は1000人余り在籍しているそうでそれなりの企業であることが伺えます。陸上スパイク以外にもサッカースパイクやテニスのシューズ、ウェア、ランニングシューズ等色々取り扱っているみたいです。
陸上関係で挙げておくと1990年代から2000年代にかけて中国のナショナルチームの指定競技靴になったり、2001年の北京ユニバーシアードで中国代表選手を独占的に後援したり、女子800mで東京オリンピック5位に入った王春雨選手にウェアを提供していたりとかなり陸上には力をいれているみたいです。
自分もこのスパイクを知るまでは中国特有の適当に名前をつけた謎メーカーかと思っていましたが意外とちゃんとしている企業のようです。

CP2(碳速2)とは
中国のスポーツ用品メーカー 【HEALTH】が展開している厚底カーボンスプリントスパイクです。おそらく中国以外ではほとんど見かけないであろうこのスパイクですが、それには理由があります。このメーカーのシューズはWAシューズリストに載っていないのです。つまり公認大会では使えないということです笑そりゃ中国以外では使われませんよね笑笑
CP2はCarbon Plus2の略で2と言うことは当然1があり最近出た3もあります。CP1は薄底カーボンスパイクでCP3は中距離用モデルとなっています。
CP1 AliExpressより引用
CP3 AliExpressより引用
重さはEU40(日本基準で言うと25.5cmくらい)のピンを外した状態で165gでした。そんなに軽くはないですが厚底スプリントスパイクらしい重さといえますね。

サイズ感はNIKEに似ていて細めで日本メーカーと比べると全長も長めです。NIKEと同じサイズのものを選びましょう。どっかで試着できればいいんですけどね…
CP2のアッパー
まず目を引くのがこのカラーリング、写真より現物をみた方が3倍は鮮やかなレインボーカラーです。個人的にはかなり好みのデザイン。そういえばメジャーなメーカーで虹色のシューズってあまりみませんね。
アッパーの素材は一体式のモノメッシュアッパー(厚底カーボンシューズに使われがちな透け感のあるやつ)になっています。フィット感は申し分ないと思います。

シューレースはNIKEでお馴染みのギザギザしてるやつ。同じ工場から仕入れたんじゃないかってくらい似ています。

踵部には踵抜けを防止するための分厚いヒールカウンターがついています。一見するとサイズ以上に全長が大きく感じますが、このスポンジがだいぶボリューミーなので足を入れるとまあ表示のサイズ通りかなという感じです。

CP2のミッドソール
ミッドソールにはいわゆる高反発素材である”Hifoam”が使用されていて足底へのダメージや反発力の向上に一役買っています。他社の高反発材と比べると硬めに感じます。

このスパイク最大のと言っても過言ではない特徴は前足部に搭載されているバンパーシステムです。
これはフルレングスのカーボンプレートが前足部の部分だけアーチ状になっていてそこを潰すことで反発をもらうというものになっています。
感覚としてはマックスフライのエアズームユニットにすこしだけ近いですがエアズームユニットほどクセがなく潰やすく反発も貰いやすいです。

CP2のプレート
ピン配列はよくみる2-2-3となっています。海外製短距離スパイクはピン配列はほぼこのピン配列になってますね。プレートはHi-Pebaxプレートが使用されていて高反発となっています。Hi-PebaxはおそらくHEALTH社の独自テクノロジーの名前でしょう。

プレートの硬さは均一ではなく、前足部は硬く中足部は柔らかめになっています。解説している動画があったのですが全編中国語だったので良くわかりませんでした。多分蹴り出しがスムーズになるとかそんな感じでしょう。
それにしても接着剤がはみ出てて汚い笑笑
CP2の付属品
シューズ袋
シューズ袋はマックスフライやエアズームビクトリーに付属しているものと非常に似ています。同じ工場から仕入れているのではないかというくらい似ています笑

ピン
ピンはスチール製のニードルピンが14本×2セット付属していました。スチール製ということなのでNIKEやadidasに付属しているアルミ製のものより耐摩耗性は高そうです。
付属品が多めについているのは中国製製品あるあるですね。ありがてぇ笑

黒く塗装はしてありましたがタータンで一本流しをしたら速攻で剥がれました笑

このスパイクを買って1番驚いたといってもいいことですが、なんとピンの裏にHEALTHのロゴがあしらわれていました!こだわりがすごいですね!

ネジ部の長さ的にマックスフライに使用するのはおすすめできないです。

CP2を使ってみての感想
良い点
バランスがいい
搭載されているシステムや見た目とは裏腹に厚底スプリントスパイクにしては使いやすい部類に入るのかなと思います。前述したように中足部のプレートが曲がりやすくスムーズな蹴り出しができるため過剰な硬さを感じず非常に扱いやすいです。
硬過ぎず柔らか過ぎず、カーボンプレートと高反発フォームを搭載してるだけあってそこそこの反発があり後半の足持ちもいいためバランスの取れた一足だと思います。
マックスフライの練習用になりそう
前足部のバンパーシステムがすこしだけエアズームユニットの感覚にちょっと似ているし若干安定感がないところもマックスフライと似ているので、マックスフライの練習用に使用するのもありかなと思います。
ただマックスフライと比べると反発が弱いので正直なんとも言えないところ
悪い点
公認大会で使えない
このスパイクで1番よくない点は公認大会での使用ができないことです。正直この要素があるってだけで終わってます。
公認大会で使えるならもっと売れると思います、安いし。
でもHEALTHは最近陸上スパイクやランニングシューズにかなり力を入れ新製品を続々と発表しているし、アメリカのAmazonにはショップがあるくらいなので、もしかしたらそのうちWAの承認を取ることもあるかもしれません。
踵が抜けそうになる
先述した通り一体式のモノメッシュアッパーに分厚いヒールカウンターがついているのですが、短距離で使うにはちょっと緩く感じます。
モノメッシュアッパーに補強が少ないためコーナーでブレる感覚があるし、走り出しで踵が抜けそうになります。どっちかと言うと中距離スパイクのような履き心地です。フィット感は悪くないんですがね…
ラグが強い
他社製品の厚底スパイクと比べると跳ね返りのラグを強く感じます。
バンパーシステムの下にある空洞のせいなのか反発のタイミングが若干遅いので慣れが必要です。
どんな選手にあっているか
- マックスフライの練習用が欲しい選手
- 安く最先端スパイクを試してみたい人
総評
反発 | |
安定感 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 |
まとめ
好奇心で購入したこのスパイクですが、所々気になる点はあるもののマックスフライのエントリーモデルみたいなイメージで興味深い一品でした。ですが見た目が見た目なだけに爆発的な反発を期待していた節もあるので、期待外れでもありました。しかし安いし扱いやすいので練習用カーボンスパイクとして購入してみるのもありだとは思います。
興味がある方は検討してみてください。