今回はadidasの三段跳、棒高跳用スパイクである【アディゼロ TJ/PV】を偏見マシマシでレビューしていきます。

アディゼロ TJ/PVについて
アディゼロ TJ/PVはドイツ発祥の世界的なスポーツブランドの一つであるadidasが展開する三段跳、棒高跳用スパイクです。
現行モデルはミッドソールがadidasの高反発材であるライトストライクプロに変更されているので今回紹介するものは一つ前のものだと思ってください。
adidasのスパイクは年に2、3回新色が発売され流通量も多いため跳躍選手であればこのスパイクは多くの人がご存知かと思います。
日本では女子三段跳の日本歴代4位&日本学生記録保持者(2023年12月現在)の船田茜理選手や、男子三段跳の全カレチャンピオンである中山昂平選手が使用しているイメージですね。
重さは25.5cmのピンを外した状態で243gでした。手で持ってみても重量感を感じます。

サイズ感は他のメーカーに比べると幅も全長も大きく感じます。
asicsやミズノより1サイズダウンさせるとちょうどいいはずです。私はサイズをミスりました笑
アディゼロ TJ/PVのアッパー
アッパーは厚みのある合成繊維とメッシュで作られていて通気性、フィット感はまずまずのものです。中足部から前足部にかけて幅広な印象ですが、中足部のベルトを締めることでそのあたりのフィット感も気にならなくなりますし踏切時のブレも軽減してくれます。

アッパーはところどころドットに切り抜かれており通気性を確保して履き心地を向上させてあります。

アディゼロ TJ/PVのミッドソール
今回紹介しているアディゼロ TJ/PVのミッドソールは最近流行している高反発素材ではなく硬めのEVA素材が使用されています。
実は前方へのライド感を強くするために同社の走幅跳スパイクであるadizero LJより前足部あたりのソールが薄くなっています。

靴の内側のミッドソールは他に比べて大きく盛り上がっているように見えますがこれはアーチをサポートしてくれる構造になっていて、実際履いてみても物理的に土踏まずのあたりが盛り上がっています。(アーチをサポートしてくれるインソールみたいなイメージ)
これによって踵が内側に大きく倒れるオーバープロネーションを防いでくれます。

アディゼロ TJ/PVのアウトソール
アディゼロ TJ/PVは設置面積が広い安定感のあるプレートに3-2-2のピン配列となっています。海外メーカーのピンは大体この配列ですよね。
それと立体的な網目模様をプレート全体につけることでグリップ力を向上させています。

アディゼロ TJ/PVを使ってみての感想
アディゼロ TJ/PVの良い点
怪我防止になる
アッパーのフィット感やソールの厚さによるクッション性もさることながら、アーチのサポート構造が怪我予防にいい仕事をしています。
前述した通りアーチが落ちてしまうと踵が内側に倒れるオーバープロネーションが発生してしまいます。
オーバープロネーションは筋力が未発達な中学生や初心者の方や扁平足の方に多いとされていてシンスプリントやアキレス腱痛の原因となったり、場合によっては外反捻挫等の怪我につながるため対処できるに越したことはありません。
アーチ部分のサポートによって物理的に扁平足をカバーしてくれるためオーバープロネーションによる様々な怪我を予防してくれますので特に三段跳初心者にはオススメです。
安い
adidasのスパイクは一年に数回新色が出る+陸上専門店やadidas公式以外でも買えるほど流通量が多いため値崩れしやすいです。
比較的安く手に入りやすいため手を出しやすい製品だと思います。
アディゼロ TJ/PVの悪い点
物足りない
このスパイクは怪我を予防するためには大変良いものではあるのですが、記録を出すためには少し物足りなさを感じてしまいます。
ミズノのフィールドジオAJの様なローリング動作をサポートしてくれるライド感はほとんどありませんしNIKEのトリプルジャンプエリート2の様な反発もほぼ感じません。かと言って走りやすく助走速度を上げやすいというわけでもないです。
初心者が使用するには全然問題ないと思いますが、中級者〜上級者の方が使用するとなるとどこか物足りない感覚になってしまうかもしれません。
重い
ピン装着状態だと250gを超えるので重量を感じます。
PUMAの三段跳専用スパイクであるevoSPEED triple jumpと同じくらいの重さですがアディゼロ TJ/PVは跳躍における助力が少ないせいかevoSPEEDより重く感じます。
練習や試合中に疲労が出てくると足が重たくなってきます。
どんな選手に合っているか
- 三段跳を始めたい初心者の方
- 足回りのトラブルが多い選手
総評
反発 | |
安定感 | |
サポート性 | |
使いやすさ |
まとめ
アディゼロ TJ/PVは初心者には大いにおすすめできるスパイクでした。
物足りなさに関しましてはミッドソールがライトストライクプロになればマシになるのではないかと予想しています。
日本で大々的に発売されるのはいつになるのかわかりませんが手に入り次第そちらのレビューもしようと考えています。
この記事がスパイク選びの参考になれば幸いです。
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