今回は全日本国民が待ち望んでいたであろうasicsの厚底短距離スパイクである”メタスピードSP“をレビューしていきます!

メタスピードSPについて
メタスピードSPはご存知日本のスポーツメーカーであるasicsが満を持して発売した厚底スプリントスパイクです。
代表的な着用選手といえば100m世界陸上王者のフレッド・カーリー選手でしょうか。(市販品とはプレートの形は違かった)あと2023年の鹿児島国体にてジュニアカテゴリーのスプリント種目で表彰台に乗った選手の着用率が高かったことでも話題になったりしました。
重さは25.5cmのピンをとった状態で145gでしたがピンを付けると150g超えますのでおおよそ厚底の平均的な重さと言えます。

サイズ感はかなり小さめな印象です。
特にアッパーの幅が細く幅広な方が着用する際には注意が必要でワンサイズあげることを検討してみてもいいかもしれません。前足部のボックスも低いかな。
メタスピードSPのアッパー
アッパーはモーションラップアッパーが採用されており薄手ながら抜群のフィット感があります。
ところどころドット状にくり抜かれているため通気性と軽量性も優れています。
数年前までメインで使用されていたHL-0メッシュほどではないですがさすがのasicsだけあって足入れはかなりいいです!


幅が細くプレート自体も細めな作りになっているため、適切なサイズを選ばないと足がプレートから大きくはみ出して内側に足が倒れたりバランスが悪くなってしまうことがあります。
足が内側に倒れるとアキレス腱痛の原因になることもあるためサイズ選びは慎重にしましょう。
メタスピードSPのミッドソール
ミッドソールには中足部から前足部にかけてマラソン用のランニングシューズにも使用されている高反発材である”FF blast Turbo“がボリューミーに使用されています。(FFはFLYTEFOAMの略称)
このFF blast Turboはasics社の反発材の中では一番高反発なものとなっていて硬すぎなく柔らかすぎないちょうどいい硬さだと感じます。
ミッドソールとインソールの間にフルレングスのカーボンプレートが挟まれていてフラッグシップモデルらしい強い反発を得られます。

メタスピードSPのアウトソール
樹脂製のプレートが中足部から前足部にかけてあしらわれており、ピン配列は2-2-3です。
asicsはピン配列を独自のものにしているイメージがありましたが、ついにasicsもこの配列に落ち着きましたね。

プレートの傾斜はprimesp2やevoSPEED tokyo nitroなどの海外メーカーのモデルほどではないにしてもそれらに負けないくらい強めの傾斜があります。

メタスピードSPを使ってみての感想
メタスピードSPの良い点
反発が心地よい
潰しやすいけど反発の強いのFF blast Turboと硬すぎないプレートのおかげで非常に気持ち良い反発を得て走ることができます。
多少調子が悪い時でもいい動きで走れるスパイクだと感じました。
特にテンポ走のような抑えめのペースだとリズミカルに気持ちよく走れました。
他のスパイクとの反発感の違いを擬声語で表すならば
マックスフライは「ボン!ボン!ボン!」
primesp2は「ボッボッボッ」
そしてメタスピードspだと「ポンポンポン♪」
と言った感じでしょうか笑笑(わかりにくい)
比較的扱いやすい
フラッグシップモデルの厚底スプリントスパイクの中では扱いやすい部類に入ります。
他社製の厚底スプリントスパイクのようなプレートが硬過ぎてパワーが必要になってくるわけではなさそうですし、FF blast Turboも適度な柔らかさでフォームを潰して跳ね返る感覚が得られやすいように感じます。
さらに反発自体も比較的控えめになっているためスパイクに走らされている感覚も少ないと言えます!

メタスピードSPの悪い点
中距離スパイクっぽい
良い点で扱いやすいと解説しましたがそれゆえに物足りなさを感じます。
めちゃくちゃ悪くいうと中距離スパイクのような走り心地です。
聞く話だと同じメタスピードシリーズの中距離用スパイクである”メタスピードMD”とは踵のクッションの有無と傾斜くらいしか違いがないみたいなので中距離スパイクっぽさを感じても仕方がないのかもしれません。
それとFF blast Turboが潰しやすいと言ったものの潰れたあとのフォームがもどるレスポンスがはやすぎて地面に力を加えきる前に跳ね返ってしてしまう感覚があります。この点も中距離スパイクっぽく感じてしまう一因だと思います。
ダイレクトな接地感はそこまで感じない
asicsの説明では「インソールのすぐ下にカーボンプレートを配置することによりダイレクトな接地感が得られてスタートも出やすい!」って触れ込みでしたが他の厚底と比べてみても特段ダイレクトな接地感は感じません。
スタートも非常に出やすいかというとそうでもなくprimesp2と大差無いかなという感想です。
正直PUMAのエヴォスピードtokyoニトロやNew balanceのSD-Xの方がダイレクトな接地感を感じられると思います笑
どんな選手に合っているか
- 海外メーカーの硬すぎる厚底スパイクが嫌いな選手
- バランスの取れたスパイクが好みな選手
- 足入れのいいアッパーが好きな選手
総評
反発 | |
安定感 | |
サポート性 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 |
まとめ
厚底スプリントスパイク競争に遅れをとっていたasicsがついにだしてきたメタスピードSPですが、尖った特徴がなく扱いやすい製品でした。
マックスフライやprimesp2などの海外メーカーのものだと足型的に合わない、屈曲が硬すぎると感じる選手であれば検討してみてもいいかもしれません。