【new balance】中距離用スパイク”FuelCell MD-X”を短距離目線でレビュー!

【new balance】中距離用スパイクFuelCell MD-Xを短距離目線でレビュー!スパイクレビュー

今回はニューバランスの中距離用スパイク、【FuelCell MD-X】を短距離目線でレビューしていきます。

FuelCell MD-Xについて

FuelCell MD-Xはニューバランスが展開する中距離用スパイクです。
厚底スパイクが流行りはじめたころにアメリカの短距離選手であるトレイボン・ブロメル選手が着用しレースに出ていたことで陸上スパイク界隈で話題になりました。
日本だと多くの中長距離種目で日本記録を保持している田中希実選手や100mH世界陸上代表の田中佑選手などが着用しています。

重さは25.5cmで脅威の110g!中距離用なので軽くてなんぼなところはありますが、ミッドソールが入っているのにこの重量、すごいですね!

サイズ感はどっちかというとミズノやアシックスに近いかなという印象ですが日本メーカーと比べると若干長さがあるかもしれません。横幅が日本製のスパイクで長さがナイキなどの海外製に近いというなんとも難しいサイズ感です。
サイズは普段履いているシューズと同じでいいと思いますが、もしかしたら横幅が少しキツく感じることもあるかもしれません。

FuelCell MD-Xのアッパー

アッパーはシュータン一体型のニット素材となっていて、履き口が狭くめちゃくちゃ履きにくいです。特に夏場の汗をかいている状態だと相当頑張らないと履けません笑
ちぎれるんじゃないかってくらい履き口を引っ張って履きましょう。
しかし履いてしまえば抜群のフィット感でピタッと足を包み込んでくれます。履き心地はかなりいいです。

シューレースはゴムみたいに伸縮性がある素材となっています。アッパーのフィット感がいいため、最悪ひもはなくてもいけるかもしれません笑

FuelCell MD-Xのプレート

プレートはカーボン素材のプレートに2-2-2の固定ピンと三角錐の突起が無数にデザインされています。固定ピンは細めで抜けが良くなっていますが、耐久性が心配なところ。

カーボンプレートのアウトソールなのでとてつもなく硬いものを想像しがちですが、手で曲がる程度には柔らかいです。履いて立つと体重でプレートが曲がってフラット気味になります。

FuelCell MD-Xのミッドソール

FuelCell MD-XのミッドソールにはNew balance社の軽量反発素材であるFuelCellフォームが採用されています。これはよく言われることでもあり私自身もFuelCell Propel v4などのランニングシューズをつかって感じていたのですが、FuelCellフォームは非常に柔らかいです。

柔らかすぎて違和感というかラグを感じます。ナイキのエアズームユニットやアディダスのライトストライクプロと比べると沈み込んでからの反発が少し遅い感覚があります。

柔らかいからこそ余計にへたれないかが心配なところ。(私がトレーニングシューズの一つとして使用しているFuelCell Propel v4 のFuelCellフォームはそれなりにつかってもヘタレていないので問題ないかも)

FuelCell MD-Xを使ってみての感想

良い点

使いやすい

厚底カーボンスパイクなんて爆発的な反発があるのではと期待しますよね。でもMD-Xはそこまで強い反発がなくてとても扱いやすいです。(もちろん中距離用と言うこともありますが)
反発の強さでいうと薄底の短距離スパイクと変わらない程度なのでスパイクに走らされている感覚が嫌いな方にはおすすめです!

それとプレートがフラットで適度な反発があるので女子選手や11秒中盤くらいの学生の選手でも慣れは必要ですが、非常におすすめできます。

練習用厚底として使える

比較的癖が少ないのでテンポ走やイーブン走と言ったような長めの距離の練習につかえそうです。

他の厚底と比べて反発が弱いので距離を踏む練習での腱や筋肉へのダメージも少しだけ抑えられるし、厚底特有のミッドソールをつぶして走る感覚はつかめます。

悪い点

コスパが悪そう

まず気になったのは耐久性がなさそうという点です。ピンは細めの固定ピンとなっているので、削れてしまうと当然変えることができません。半年ほど練習とレースで使うとおそらくピンが削れて短くなりプレートの硬さも落ちてただのランニングシューズと化してしまいそうです。(短命なのはフラッグシップモデルの宿命ともいえますが…)

足底の踵部がFuelCellフォームがなんの加工もなくむき出しになっているため、そこがすぐにボロくなります。私の場合はFuelCellフォームに木の破片が食い込んで穴が空きました笑笑

とにもかくにも履きにくい

アッパーがニットっぽいブーティ構造になっていて履き口がとても狭くとにかく履くのが大変です。先述しましたが夏場の汗をかいているときなんかは全然足が通りません…アッパーをめちゃくちゃ引っ張って足を入れるのですが、ぶっ壊れないか心配になります。

どんな選手に合っているか

  • 自分の感覚で走りたい選手
  • アッパーのフィット感を求める選手
  • 厚底スパイクに挑戦してみたい中級者選手
  • フラット接地の選手

総評

反発3.0
安定感3.0
使いやすさ4.5
おすすめ度4.0

まとめ

ニューバランスのスパイクはFuelCellMD-Xを合わせて3つ目(Sigma、SD100の使用歴あり)ですが、共通していえるのがフィット感がよく走りの邪魔をしないことです。ニューバランスのテーマなのかもしれません。

このスパイクで気持ちよく走れないのであればマックスフライやプライムSP2などの激硬厚底スパイクは到底使いこなせないと思ったほうがいいです。

世界的にみても女子400mHのシドニー・マクローフリン選手やフェムケ・ボル選手が着用し好記録を出しているので実績は申し分ないでしょう。

MD-Xは薄底短距離スパイクでいうと、アシックスのSPブレードに近い存在かなと思います。
先述した通り、癖が少なく扱いやすいので是非使ってみてください。本当にオススメです。一押しです。

もし感覚が悪いと感じたら裸足で履くと改善されるかもしれません。

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