今回はPUMAの次世代厚底短距離スパイクである”エヴォスピードTokyoニトロ“をレビューしていきます。

エヴォスピードTokyoニトロについて
エヴォスピードTokyoニトロは世界的なスポーツブランドであるPUMAが展開する短距離用スパイクでミッドソールに高反発素材のnitro eliteフォームが搭載されているいわゆる厚底スパイクです。
世界選手権等でも着用している選手が多いので陸上ファンでスパイクに少し詳しい方であればご存知かとおもいます。
日本ではサニブラウン・アブデル・ハキーム選手と110mhの高山峻野選手が着用しているのを見かけます。(※高山選手はよくスパイクが変わる)
重さは25.0cmで155gで固定ピンが付いた状態でこの重量なので厚底スプリントスパイクのなかだと平均的な重さといえます。

サイズ感はNIKEとadidasの中間みたいなイメージです。
ミズノやasicsだと25.5を使っている私は25.0で幅も長さもちょうどよかったのですが、前足部のボックスが低いのか靴下を履いてると足の親指がアッパーにあたって気になります。サイズ感は難しめ。
エヴォスピードTokyoニトロのアッパー
エヴォスピードTokyoニトロのアッパーはメッシュと合成繊維を組み合わせたものとなっており、evoSPEED Tokyo Future 同様MATRYX MICROテクノロジーが搭載されておりシューレースを締める際カーボンファイバー製の糸が引き上げられ足にフィットする構造になっています。

短距離用なのでアッパーはところどころ肉抜きされていて軽量性、通気性に優れています。

アッパーはevoSPEED Tokyo Future jumpと材質等はほとんど変わらないのでおそらくevoSPEED Tokyo Futureとかなり近い仕様になっているかもしれません。(evoSPEED Tokyo Futureが手元にないので断言できませんが…)
エヴォスピードTokyoニトロのミッドソール
エヴォスピードTokyoニトロにはPUMAの高反発材であるnitro eliteフォームが前足部に搭載されています。
他社製の厚底スプリントスパイクと比べると必要最低限の量だけ高反発材が入れられている印象です。

エヴォスピードTokyoニトロのプレート
プレートはペバックスとカーボンの混合フルレングスプレートが使用されていてとにかく硬いです。adidasのadizero primesp2負けないほどの硬さを誇っています。

ピンは固定のニードルピンが4-2-2で配列されていて最近多い3-2-2よりピンが1本多く安定感重視の配置となっています。

プレートの傾斜がかなり強くて上手く走らないと足が流れやすくなります。
厚底の中でも傾斜が強いと言われているprime sp2よりもさらに急角度になっております。

エヴォスピードTokyoニトロを使ってみての感想
エヴォスピードTokyoニトロの良い点
厚底感が少ない
エヴォスピードTokyoニトロは高反発材であるnitro eliteフォームを搭載してはいるものの前足部にのみ最低限の厚さで入っているため、他社製の厚底と比べると地面を押している感覚が強く感じられブレやぐらつきも少ないです。
しかしながら厚底特有の後半の足持ちやストライドの向上は十分期待できます!!
厚底は地面を押せているのかわからない、ぶれるのが嫌いな方でもエヴォスピードTokyoニトロなら比較的履きやすいかもしれません。
厚底と薄底の中間に位置するスパイクだといえます。
スタートが出やすい
プレートの傾斜が非常に強く剛性も高いためスタートしやすいのもこのスパイクの特徴と言えます。
搭載されている高反発材の厚みが控えめで地面を押している感覚を掴めるのでそれもスタートのしやすさに繋がっていると考えられます。
エヴォスピードTokyoニトロの悪い点
人を選ぶ
傾斜が強くプレートの剛性が非常に高い、おまけに前足部にしか高反発材が入っていないためバチバチのフォアフット接地の選手にしか扱えないです。
NIKEのマックスフライなんかはフォアフットがベストなものの最悪フラット接地でも扱えますがエヴォスピードTokyoニトロはそうはいきません。
このスパイクでフラット接地をしようものならスパイクの良さは半減してしまうでしょう。
さらにプレートがとにかく硬く反発も強烈なのでパワーと走りの技術が無いと扱うにはしんどいかと思います。
私が実際に履いてレースに出た際はスタートから中盤にかけてはイメージよく走れたのですが、水平方向の反発が強すぎて後半の局面で走りがばらけてしまう感覚がありました。
走りがうまいひとならこうはならないのかもしれませんが…

どんな選手に合っているか
- 上級者
- フォアフット接地の選手
- ボリュームのある厚底スパイクが苦手な選手
総評
反発 | |
安定感 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 |
まとめ
トップ選手が履き始めて一般に流通するようになるまでの期間が1番長かったエヴォスピードTokyoニトロですが、尖っていてかなり上級者向けの一品だと感じました。
さらに価格も他社のものと比べてもお高めですので手が出しにくいかなという印象です。
しかしながら厚底でありながら感覚が薄底に近いという独自路線で他社製品と差別化されているし、使いこなすことができれば記録の向上に一役買ってくれるはずなので試してみる価値はあると思います。好きな人は好きなやつです!
この記事がスパイク選びの参考になれば幸いです!