今回は2024年に新たに登場したasicsの跳躍用スパイクである”ソニックスカイプロ“をレビューしていきます!

ソニックスカイプロについて
ソニックスカイプロはご存知日本のスポーツブランドであるasicsが展開している跳躍用スパイクです。アシックスの公式曰く走幅跳、三段跳、棒高跳に使用できるようです。
代表的な着用選手といえば東京オリンピック代表の走幅跳選手の津波響樹選手や、ブダペスト世界選手権に三段跳で出場した池畠旭佳瑠選手があげられます。
重量は26.0cmのピンをとった状態で204gでした。

サイズ感は海外メーカーに比べると小さめで幅がタイトな印象ですので足の横幅が広い方は特に注意が必要です。
私は跳躍時に足首のサポーターをつけたかったので念のためワンサイズアップの26.0cmを購入しましたがナイキの25.5と同じようなサイズ感でしたのでサポーターの有無にかかわらずNIKEからワンサイズアップさせるといいかもしれません。
スポーツデポ・アルペン公式オンラインストアでは多くの陸上スパイクやランニングシューズが取り扱われています。希少スパイクやセールで大幅割引があるため私も定期的にチェックをしています。
ソニックスカイプロのアッパー
アッパーは短距離用のスパイクにも使用されている薄手のモーションラップアッパーに跳躍の衝撃に耐えられるようにラン用スパイクと比べると多めに補強を入れてあり、硬めでしっかりしている仕上がりです。
補強が入っていない前足部のあたりは靴下が透けるほど薄いメッシュになっているため破けそうで少しこわいです笑

シュータンも厚めでクッションっぽいものが入っています。
シューレースを締めると足をしっかり固定してくれます。

足首まわりをシュータン同様分厚いでかベルトでバチっと固定してくれているため踏切時アッパーや足首のブレを軽減してくれます。

踵周りは日本メーカー製でよく見かける非常に硬く、しっかりしたヒールカップのような形状になっています。人によってはアキレス腱下部が当たって痛くなってしまう可能性はあります。

ソニックスカイプロのミッドソール
ソニックスカイプロの最大の特徴と言っても過言ではないミッドソールにはasicsの反発材であるFF blastが使用されています。
FFブラストはasicsの中ではそこまで高反発な素材ではなく比較的硬めなものだと言われています。
厚みも規定ギリギリの約20mmにしてあるためクッション性を感じます。

ソニックスカイプロには同社のスプリント用スパイクにも搭載されているカーボン樹脂プレートが使われています。
スプリント用同様インソールのすぐ下にプレートが入っていてダイレクトな接地感が得られるという触れ込みです。

ソニックスカイプロのアウトプレート
ソニックスカイプロのアウトプレートは短距離用スパイクとほとんど変わらないほど細いフルレングスプレートとなっています。最初見た時細すぎて何かの間違いかと思いましたね笑

ソニックスカイプロ
↓比較用としてasicsの短距離用スパイクのメタスピードsp(25.5cm)短距離フラッグシップモデルと比べても気持ち太くなってるくらい。

ピン配置は2-2-4となっていて3列目が同社のスプリントスパイクより1本多くなっていて安定感を高めています。

踵部はシャークスキンを配置して踏切時にガチっと地面を捉えられるような工夫が施されています。

ソニックスカイプロを使ってみての感想
ソニックスカイプロの良い点
助走が走りやすい
前述したソニックスカイプロの紹介を見てもらうと分かると思いますが、ほぼほぼスプリントスパイクなので走りやすく助走の流れを作りやすいです。
ガラス繊維強化プレート入っているものの、ナイキのLJエリートといったカーボンプレート入りの跳躍スパイクのようなカーボンの爆発的な推進力は感じないのでイメージより走れすぎてしまい助走にムラが出てしまうことは少ないでしょう。反発の返りも素直なので助走の乗り込み動作もしやすいです。
クセが少ない
プレート入りで反発材も入っている次世代スパイクっぽいですがクセというクセはなく意外と使いやすいです。
前述した通り助走の組み立てをしやすいし、フォーム材のせいで踏切の感覚が変わることもありませんのでバランスのとれた優秀な跳躍スパイクだと言えます。
しかしながら踏切の感覚自体は変わりませんが幅跳びの踏切時にとふわっと浮いて跳躍の高さが出る感覚があります。
ここが幅跳び選手に好評な理由の一つではないでしょうか。
極端なことを言ってしまうとミッドソールが柔らかくなったフィールドジオAJみたいな感じです。
尖った性能を持つ製品が多い海外製の走幅跳スパイクが苦手だったり、高いお金を出して新しいスパイクを買ったはいいものの合わなかった!と言った失敗をしたくないのであればこちらは非常におすすめできます。
ソニックスカイプロの悪い点
接地面が少ない
アウトプレートの形状を見てもらうとわかるように接地面積が少なく安定感に欠けます。
走幅跳び、棒高跳びでの使用であるならおおよそ問題ないと思いますが、三段跳で使用するには少し狭すぎます。
私はもともとadidasのアディゼロTJ/PVのような接地面広めの跳躍スパイクが好みなため余計に接地面積の狭さに怖さを感じてしまいましたね。
特に踵のあたりのプレートの狭さが非常に気になりました。
最近の海外メーカー製のジャンプスパイクは踵周りを包み込むようにソールが配置されていることが多いのでそれに慣れてしまっていると踵周りの不安定さが非常に厳しいです。
実際練習中足首を捻るかと思った瞬間が何回かありました。どの種目で使うにしても足首が緩くてぐらつきやすい方は注意が必要です。

明らかに踵部がの面積が小さいですね
踵が危ない
ソニックスカイプロのミッドソールは規定ギリギリの20mmの厚さにされていてクッション性も抜群!!かと思いきや実は結構踵に衝撃が来ます。
今回使用されているFFブラストといったような高反発材は大抵中に気体を注入し発泡させることで反発力を上げているそうなのですが、それをすることでフォーム材の密度が低くなってフォーム自体も柔らかくなっています。
そこで三段跳の踏切のような強い力がかかると大きく沈み込み地面を感じてしまいます。
体重移動を失敗したなどの失敗跳躍で踵を潰しやすくなるため、三段跳での使用は相当上手くない限りはおすすめできません。
三段跳の跳躍の感覚自体は反発材が入っているため地面からの反発のリターンもよかったし適度なライド感もあったので悪くはなかったんですが怪我をしてしまえば本末転倒ですからね…
どんな選手に合っているか
- 走幅跳、棒高跳の選手
- バランスの取れたスパイクが欲しい選手
- スパイクで失敗したくない選手(三段跳選手は除く)
総評
反発 | |
安定感 | |
サポート性 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 | (三段跳使用だと☆1.5) |
まとめ
ダイナブラストが好きで冬の跳躍練に使っていたため個人的にソニックスカイプロには随分前から期待していましたが、個人的に三段跳での使用が厳しかったので悲しかったですね。
あまり悪いところばかり書くのも良くないですが、ジャンプ用スパイクにスプリントスパイクのプレートの形を流用するのはどうなんですかね…
ちょっと変えてあるみたいですがスプリント用にによりすきじゃないでしょうか。
とはいえども走幅跳の選手にはかなり好評みたいなので走幅跳メインの選手であれば有力な候補になるでしょう。
幅跳びメインであるならば下手な海外メーカーのものを買うよりかは後悔することは少ないと思います。