今回はアディダスの”アディゼロプライムSP4“のレビューをしていきます

アディゼロプライムSP4について
アディゼロプライムSP4は世界的なドイツのスポーツメーカーであるadidasが展開するフラッグシップ短距離スパイクです。
去年発売されたアディゼロプライムSP3 ストラングの後継機と言えるスパイクで、見た目の変化からわかるように大幅なアップデートがされました。
今回私が購入したのはドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツの子会社に当たるメルセデスAMGとのコラボカラーです。
アディダスもメルセデスAMGもドイツの企業ということ、2社ともスピードを求めていることでコラボが実現したのかもしれません。
日本メーカーもTOYOTAのGRスポーツとかとコラボしてみて欲しいものですね笑
アディゼロプライムSP4の重さ
アディゼロプライムSP4の重さは25.0cmのピンを外した状態で”179g“でした。
前作のプライムSP3ストラングが同じ条件で”167g”でしたので10g以上重くなっています。
ちなみにプライムSP2は”157g”でしたのでSP2より20g以上も重くなっています。
確かに手に持った際にはずっしりとした重量感を感じます。


アディゼロプライムSP4のサイズ感
アディゼロプライムSP4のサイズ感は他のアディダススパイクと同様に他社製のものに比べて作りが大きいのでハーフサイズダウンさせましょう。
プライムSP2やプライムSP3とは同じサイズで問題ないでしょう。
ただつま先のボックスが若干低くなったように感じますが問題ない程度だと思います。
アディゼロプライムSP4のアッパー
アディゼロプライムSP4のアッパーはプライムSP2などと同様のエンジニアードメッシュが採用されていて足入れは良好に感じます。

ただ、糸を束ねて織ってあるようなメッシュアッパーに変わっているためプライムSP2に比べるとメッシュ部分の耐久性は上がっているように感じます。

シュータンは過去作同様アッパーと一体型になったガゼットタンになっていて履き口が狭く履きにくさは感じるものの、履いてしまえばフィット感は良好です。

シューレースは一般的な布地のものになっていてプライムSP3の解けやすかったざらざらした素材から変更されました。やっぱりこれが一番いい!笑

アディゼロプライムSP4のミッドソール
ミッドソールにはアディダスの高反発ミッドソール素材であるライトストライクプロが使用されています。
このライトストライクプロは用途に合わせて密度を変更することで硬度の調整ができるようですが、このプライムSP4のライトストライクプロは非常に硬くて高密度な仕上がりになっています。
高反発材はウレタン素材に気体を注入して発泡させることで反発力やクッション性を向上させているようですが、プライムSP4のライトストライクプロは硬すぎて発泡させてあるのか疑ってしまう程です笑
プライムSP3も硬かったけれどそれより全然硬く感じます。
さらにミッドソールの厚みも規定ギリギリの20mmまで厚くしてあるようなのでライトストライクプロがこれ以上ないほど詰まっています!

中足部あたりにはミッドソールが入っていなくて空洞になっています。
軽量化のためという意見もありますが個人的にはさらに別の理由があると考えています。
それは良い点で後述します。

踵部あたりはEVA素材が使用されていて特徴的なことはありません。
写真を見てもらうとわかると思いますが走っている時に踵は基本的に接地しないのでこんなものかなという感じです。

中にはフルレングスのカーボンプレートが内蔵されていて硬度と反発性を向上させてあります。

プライムSP4のアウトプレート
プライムSP4のアウトプレートは太い縦線が5本あしらわれており非常に硬度が高いものとなっています。
手で触った感じだどプライムSP3も随分硬かった覚えがありますが、それよりも全然硬いように感じます。
手で曲げるのは不可能なのではと思うほど硬いです。
接地面は広めで横振れ等はしにくい構造になっています。
プレートの硬度も非常に高いためねじれなども全く感じません。

ピン配列は3-2-1で前作と同様のものとなっています。

アディゼロプライムSP4の感想
良い点
反発をもらいやすくなった
アディゼロプライムSP4を使用してまず感じたところは前作と比べて反発をもらいやすくなりました。
ライトストライクプロもプレート屈曲も硬くなっているはずなのに、実際着用して走ってみるとむしろライトストライクプロが柔らかいように感じました。
前作は調子が悪かったり疲労があったりしてうまく走れていない時に着用するとただ硬いだけのスパイクとなってしまうことがありましたが、アディゼロプライムSP4はその感じが比較的出にくくなりました。
おそらく中足部に空洞を作りライトストライクプロが潰れるための空間を多く確保することで潰しやすくなって反発を得やすくなっているのではないかと予想しています。
前作よりはスパイクのポテンシャルを発揮させやすいものとなっています。
軽く感じる
先述した通りアディゼロプライムSP4は25.0cmで179gと今まで触ってきた短距離スパイクの中で一番重いはずですが、いざ履いてみると不思議と軽く感じます。
前足部に自然と体重が乗る独特な形状のおかげなのかはわかりませんがプライムSP3より全然軽く感じます。
これは私だけではなくチームメイトに貸した際にも軽く感じると言っていたので気のせいではないと思います。
なぜなのか想像もつきませんが重さは全く気になりません。
強制的に進ませてくれる
アディゼロプライムSP4の良いところとしては前傾をかけておけば勝手に前に進ませてくれる感覚があります。
特徴的な形状のおかげで転がる感じが非常に強く、勝手に進むので後半が苦手な選手にはマッチするかもしれません。
悪い点
グラつく
アディゼロプライムSP4はその独特な形状のせいでぐらつきがちです。
ただしこのスパイクのぐらつきと言うのは左右にぐらつくのではなく前後にぐらついてしまう感覚があります笑笑
バッチリフォアフットで接地したりフルスプリントだとあまり感じませんが、油断して後ろよりに体重をかけてしまったり、腰が落ちている走りをしたり、余裕のあるスピード感で走るとバランスが取りにくく、後ろにひっくり返りそうになることがありました笑
走法を選ぶスパイクという印象です。
癖が強い
アディゼロプライムSP4は見た目の通りかなりクセが強いです。
確かに反発を得やすくなったことは間違いないですが独特な形状のせいで従来のスパイクと同じ感覚で走れないです。
常に前傾をしていないと後ろに倒れそうになるため違和感がすごいですし、転がる感じが非常に強くてこの点も好みが分かれる要因になると思います。
足裏での体重移動が起こるため接地時間が長くなってしまうような感覚もあり非常に難しいスパイクです。
アディゼロプライムSP4を着用して走った後にhealthのCP5を使ったらめちゃくちゃ走りやすく感じました笑笑
普通の形状のスパイクが走りやすく感じてしまうくらい癖が強いスパイクといえます。
足首に良くない
これは非常に個人的な感想で個々の状態にもよると思いますが、足首にあまりよろしくないスパイクだといえます。
横ブレが全然無い分捻挫につながることは少ないですが、独特すぎる形状のせいで普通じゃ無いポジションに誘導されてしまうため慢性的な足首の痛みが出やすくなっているように感じます。
私の足首の状態が悪すぎるだけかもしれませんが笑
アディゼロプライムSP4が合う選手
- フォアフット接地の選手
- 後半に課題がある選手
総評
| 反発 | |
| 安定感 | |
| 使いやすさ | |
| おすすめ度 |
まとめ
個人的に非常に期待していたアディゼロプライムSP4ですが、癖が強すぎて簡単に扱える代物じゃなくなってしまいました。
厚底スパイクの進化も停滞気味で新たな構造を開発して行こうという気概は感じましたが、この先もこの形が維持されるとは考えにくいです。
東京世界陸上でも着用選手があまり多くなかったところを見るとトップ選手も走りにくさを感じているのかもしれませんね・・・
慣れていないから着用を見送った可能性もありますが
とはいえども尖っていて非常に面白いスパイクではあったので今後の進化にも注目していきたいですね!
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