【new balance】”FuelCell MD-X V3″を短距離目線でレビュー!!

スパイクレビュー

今回はニューバランスの中長距離用スパイクである”FuelCell MD-X v3″を短距離目線でレビューしていきます!

FuelCall MD-X v3について

FuelCall MD-X v3はアメリカのスポーツブランドであるニューバランスが展開する中長距離用スパイクです。

こちらのモデルはFuelCall MD-X がモデルチェンジされたものとなっていて、ニューバランスと契約しているアスリートが着用しているためご存じの方も多いのではないでしょうか。

代表的な着用アスリートといえば女子400mhの世界記録保持者であるアメリカのシドニー・マクラフリン選手です。
2024年のパリオリンピックで50.37という驚異的な世界記録を叩き出したときもこのスパイクを着用していました。

海外ではマクラフリン選手が監修したカラーのMD-X v3が発売されるなどまさにマクラフリン選手のスパイクと言っても過言ではないでしょう。

日本だと田中希実選手が何年か前から着用していますので目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか

FuelCall MD-X v3の重さ

FuelCall MD-X v3の重量は25.5cmで132gでした。

前作の110gと比べると重くなったなーという感想ですが、正直全くの別物になったので比較するまでもないかなという印象です。

しかし短距離スパイクとして扱うのであればかなり軽い方です。

FuelCall MD-X v3のサイズ感

FuelCall MD-X v3のサイズ感はニューバランス特有の幅の狭さがあるため幅広の選手は注意しなければなりません。

イメージで言うとナイキより少し幅が狭い感じです。

しかし前作のMD-Xと比べると気持ち幅にゆとりができています。前のニットアッパーがキツすぎた!!

FuelCall MD-X v3のアッパー

FuelCall MD-X v3のアッパーは薄手のメッシュ生地に通気性を確保させる穴が無数に空いているタイプのもので前作のようなニットではないので素直に足を包み込んでくれる好印象なアッパーとなっています。

かなりフィット感がいいので短距離の使用にも耐えてくれそうです!

踵周りは前足部、中足部と違って硬めのヒールカップ状になっていることに加えてかかと抜け防止のクッションが入っているため短距離の走りだしでかかとが抜けそうになると言ったことはありません

同社の短距離用スパイクの”SD-X”のアッパーだとかかとが抜けそうになっていた私でもFuelCall MD-X v3なら何の問題もなく走れています。

個人的な意見ですが短距離で使用するなら踵周りはある程度硬さがあったほうがぶれないと思っているためこれは非常に良いかんじです!

履く時に引っ張ることができるつまみがついているのも地味にポイント高いです。

FuelCall MD-X v3のミッドソール

FuelCall MD-X v3のミッドソールにはニューバランスの高反発材であるFuelCallフォームがフルレングスで分厚く使用されています

このFuelCallフォームはどうやら今までのFuelCallフォームと違うみたいで100%pebaxを使用することで反発力を向上させているみたいです。

今までのFuelCallはどちらかと言うと使いやすさに重きを置かれていたためあえてpebaxを使用していなかったみたいですがついにpebaxに置き換えられました。

確かにFuelCallは他のメーカーの高反発材と比べると柔らかく反発も控えめで物足りないと言う印象でしたがこのアップデートで他社製のものに負けない仕上がりになっています!

ミッドソールの量は前作と比べるとかなり厚く、着用して直立すると目線が高くなります。

厚さ規定は大丈夫なのかと心配になるほどのボリューム感です笑

前作との比較 外観だと2倍くらい厚くみえます

FuelCall MD-X v3のプレート

FuelCall MD-X v3のプレートはフルレングスのカーボンプレートに固定ニードルピンが2-2-2で配置されています。

ニューバランスの厚底カーボンスパイクに共通することですが他のメーカーのようにカーボンプレートを内蔵するわけではなく、アウトソール自体がカーボンプレートになっています。

挟むプレートが一枚少ないわけですから軽量性にもうなづけます。
プレートの硬さはミッドソールが分厚くなったことも影響しているかも知れませんが前作と比べると一段階硬くなった印象です。

プレート傾斜はかなり強いように見えますがバリバリのフォアフットスパイクであるかと言うと実はそうでもありません。

FuelCall MD-X v3を使ってみての感想

良い点

ロングスプリント◎

前作のMD-Xが大好きだった私はMD-X v3を初めて履いて走った時に、こういう感じになっちゃったかーと思ったんですよね。

なぜかと言うとMD-X v3は転がる系のスパイクになったからです。
マラソン用の厚底カーボンシューズのごとく転がります。

中長距離用だからといえば仕方ないことですが、個人的には前作の扱いやすいオールマイティさに反発力をプラスしたものを期待していました。

でもせっかく買ったしとりあえず250mのテンポ走で使ってみようと思い走り出すと驚くことにとても楽に走れました!!

終始リラックスして走れるのでロング系の練習ではこのスパイク一択だと思っています。足を置くだけで前に転がしてくれるし分厚いクッションのおかげで足底などの足回りへの負担もだいぶ抑えられます。

400mhの世界トップ選手がこれで結果を出している理由もわかります。

アキレス腱保護のためにロング系の練習には中長距離スパイクを使うことにしていていくつか中長距離スパイクを試してきましたが個人的にはMD-X v3がダントツでよかったです!

使いやすい

前作ほどではないですがやっぱり使いやすいです。

軽量性もさることながらプレートの硬さやフォームからくる反発が短距離目線からすると絶妙にちょうど良くてスパイクに走らされてる感が少ないです。しかし十分な反発もあるので物足りないといったこともありません

プレートの傾斜は大きくみえますが着用すれば体重でプレートが曲がり若干フラット寄りになりますし踵の厚みもあるためフォアフットでもフラット接地でも使用できます。

プレートの設置面積も広いため安定感がよくプロネーションする感じもありません。

コーナーに関してはフューエルセルのボリューム感のある柔らかさのせいで若干ブレる感覚はあるものの、中長距離スパイクを短距離で使用する際に起こりやすいプレートのねじれれやアッパーの強度不足によるブレはほとんど感じません。

200mのレースの際に1.2レーンに入ってしまうと少し気になるかもしれませんが意外とコーナーもいけます。

悪い点

若干クセあり

先述した通り転がる系のスパイクになってしまったため好みが分かれる可能性があります。

プライムSP3ような脚を回しやすい反発感が好みの場合は違和感があると思います。

前作との比較

前作のMD-Xをレビューした際に筋力の弱い中高生や女子選手におすすめ!厚底界のSPブレード!と紹介しましたがMD-X V3は前作ほどの万人受け感は無くなりました。

しかしながら反発は明らかに向上しているしアッパーやプレートの強度も申し分ないため中上級者の方も短距離スパイクとして使用するのはアリです!!

反発の強さで言うとクロノインクスネオジャパンより少し劣る程度で十分短距離での使用できるほどです。

ストライドで走る選手にはハマる可能性があります。個人的にはメタスピードSPやマックスフライより全然好きです笑笑

どんな選手に合っているか

  • ロングスプリント専門の選手
  • 転がるスパイクが好きな選手
  • ストライド優位の走りの選手

総評

反発3.7
安定感3.7
使いやすさ3.7
おすすめ度3.7

まとめ

今回紹介したMD-X V3は前作とは全くの別物となったと考えていいでしょう。

転がる系のスパイクはめちゃくちゃざっくり言い換えるとストライドが出やすいと言えるので、マックスフライやエヴォスピードスプリントニトロなどの前方向への反発が強いスパイクが好みの方であれば試してみる価値は十分あります。

個人的にはめちゃくちゃアリでしたのでぜひ試してみて欲しいです。

なお、日本で発売されているモデルはピンが固定ピンではなく取り替え式となっているため重量などが今回紹介した値と違う場合があるためご注意下さい。

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