今回は大幅アップデートされたadidasの三段跳、棒高跳用スパイクの”アディゼロTJ/PV”を前作との比較も交えてレビューしていきます!!

スポーツデポ・アルペン公式オンラインストアでは多くの陸上スパイクやランニングシューズが取り扱っており、希少なスパイクが売り出されていたり、セールで大幅割引がされることがあるため私も定期的にチェックをしています。
アディゼロTJ/PVについて
アディゼロTJ/PVはドイツ発の世界的スポーツブランドであるadidasが展開する三段跳、棒高跳用スパイクです。
海外では2023年からモデルチェンジされたこちらが発売されていましたが、一年遅れで2024年から日本でも大々的に販売されるようになりました。
三段跳で世界歴代4位である18m14のベストを持つウィル・クレイ氏を筆頭に多くのアディダスアスリートが着用しています。
日本だと女子三段跳で日本学生記録を保持している船田茜理選手が5月のセイコーゴールデングランプリで早速着用していました。
アディゼロTJ/PVの重量
重さは25.0cmのピンを取った状態で230gでした。
ちなみに25.5cmはピンを取った状態で233gでした。
前作は25.5cmで243gでしたので10g以上の軽量化がされています。
重めの方ではありますが前作のネックポイントであった重量はだいぶ改善されています。
今作は手に持った瞬間に重さを感じることは少なくなりました。


アディゼロTJ/PVのサイズ感
アディゼロTJ/PVのサイズ感ですがアディダスのスパイクは大きめな作りであることで知られています。
なんと今作は前作より若干大きくなっています。
前作の25.5と今作の25.0は前作の方が気持ち大きいもののおおよそ同じくらいでした。


写真を見てもらうとわかるように明らか大きくなっています。
ですので前作よりワンサイズ落とせばちょうどいいと思います。
サイズ感がここまで変わっているのは予想外すぎて買いなおしてしまいました笑
横幅は相変わらずゆとりがあるので足首サポーターをつける選手にはありがたい。
アディゼロTJ/PVのアッパー
アッパーは軽量化のためにメッシュを多く使用した薄手の素材に変更されています。
前作と比べると少し心許ない感じはありますが、中足部にデカベルトがあるためブレなどは感じません。

シュータンはアディゼロプライムsp2などでも採用されているアッパーと繋がっているガゼットタンとなっているのでアッパーの素材は薄手になっているもののフィット感は悪くないです。
しかしながら多少の履きにくさはあります。

アディゼロTJ/PVのミッドソール
アディゼロTJ/PVのミッドソールは厚底カーボンシューズや短距離用スパイクにも使用されているアディダスの高反発素材である”ライトストライクプロ“がフルレングスで使われています。
ライトストライクプロは密度を調整することで柔らかさをコントロールすることが可能らしいのですが、アディゼロTJ/PVには衝撃の強い三段跳での使用を想定しているためかなり高密度のライトストライクプロが使用されています。
指で押してみると硬く弾力があります

前作同様内側のミッドソールが大きく盛り上がっていて土踏まずに突き上げを感じます。
これには足首が内側に大きく倒れ込むオーバープロネーションを防いでくれる役割があります。
足首がオーバープロネーションしてしまうとアキレス腱痛や捻挫などの怪我につながる恐れがあります。
ただミッドソール自体が柔らかくなっているため土踏まずの突き上げも前作より柔らかくなっていて、若干サポート性が落ちているように感じます。

アディゼロTJ/PVのプレート
プレートは前作と同様の形で接地面積が広く安定感が抜群です。
しかしミッドソールが柔らかくなっているせいかプレートの屈曲は少し柔らかくなっているように感じます。

ピン配列は3-2-2の最近のスパイクに最も多いものとなっています。

プレート全体に立体的な網目模様が施されていてグリップを向上させてあります。

アディゼロTJ/PVを使ってみての感想
アディゼロTJ/PVの良いところ
前作の弱点克服!
前作は安定感はあり怪我を予防してくれる機能が多く備わっているものの、反発やライド感が少なく物足りない印象でした。
しかしミッドソールがライトストライクプロに変更されたことで明らかに反発が強くなっており、記録を出すのに一役買ってくれそうな仕上がりとなっています。
さらに前述した通り約10gの軽量化がされているので、前作のように着用中に重さを感じることもなくなりました。
非常に万能なスパイクとなった印象です。
怪我予防になる
こちらは前作と同様ですが、怪我予防に大きく貢献してくれます。
先述した通り、内側のミッドソールが大きく盛り上がっておりアーチをサポートをしてくれます。
さらに中足部のベルトを強く締め上げることで、よりアーチが引き上げられオーバープロネーションを防いでくれます。
加えてプレートの接地面積も広く安定感も抜群ですので足首の捻挫が多い選手には特におすすめできます。
扱いやすい
前作と比べると反発は上がりましたが、それでも扱いやすい部類のスパイクだと思います。
いい意味でアップシューズで跳んでいるような感覚で非常にコントロールしやすいです。
スパイクよりアップシューズの方が感覚よく跳べる選手は試してみる価値は大いにあります。
アディゼロTJ/PVの悪い点
踵が怖い
アディゼロTJ/PVはミッドソールがフルレングスで柔らかい高反発材のライトストライクプロとなっているため沈み込みが大きく、踵接地の選手ですと失敗跳躍で踵を痛めてしまう可能性があります。
しかしながらライトストライクプロの密度が高くされているためアシックスのソニックスカイプロよりはずいぶんマシに感じます。
どんな選手に合っているか
- 安定感を重視する選手
- 怪我を予防したい選手
- 接地がフラットな選手
注意事項
2024年7月にこのスパイクがWAランキング対象の大会で使用できないことが発表されました。
どうやらインソールを変えることで使用可能になるみたいですがアディダスジャパンでは自主回収が行われています。トップ選手が世界大会で着用していたらそれはインストールが入れ替えられたものでしょう。
WAランキング対象の大会なんて関係ないと思っている方もいらっしゃると思いますが、県選手権や地方選手権、高校総体の上の大会はなどでもWAランキングの対象になることがあるため注意しなければなりません。
ちなみに私は返品しました。
試合の当日になって使えませんなんて言われたら嫌なので笑笑
2024年8月現在インソールが変更されたモデルは発売されていないので購入を考えている方はしばらく様子見をすることをおすすめします。そもそもフリマサイトくらいでしか売っていない説もあります笑
総評
反発 | |
安定感 | |
使いやすさ | |
おすすめ度 |
まとめ
大幅アップデートされたアディゼロTJ/PVですが前作の良さはそのままに弱点を満遍なくカバーしたクオリティの高い一品に進化しました。
フォームがライトストライクプロになったことでさらにフラット接地寄りの選手におすすめなスパイクとなりました。
非常におすすめできるスパイクなのでぜひお試しください!!